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今注目の「シニアヨガ」について解説

日本は超高齢化社会に突入しています。2025年には65歳以上の人口が3677万人になる予想です。出生率が下がっている現状を踏まえると、2036年には3人に1人が65歳以上になると推計されています。

※参照元:内閣府 令和2年版高齢社会白書(全体版)

日本のヨガインストラクターは、シニア世代をどう捉えるかが一つの課題です。ヨガを通して、高齢化を感じさせないような活気溢れる人を増やしていけるのも、ヨガインストラクターのやりがいかもしれません。

シニア向けにヨガを指導する場合は、若い世代への指導とは違う配慮が必要です。シニア世代に安全なヨガを提供できるスキルである「シニアヨガ」について、メリットや注意点などを紹介します。

シニアヨガとは?

シニアヨガとは、シニア世代を対象としたヨガレッスンのことです。「シニア」に明確な定義があるわけではありませんが、一般的に65歳以上と考えられます。

「シニアヨガ」という特殊なヨガのスタイルがあるわけではありません。しかし、高齢者と一緒に運動をするサービスとして、ふさわしいポーズや指導内容があります。

若い世代を対象とするヨガでは、「自律神経失調症」「うつ」「ダイエット」「生理痛」「産前産後」といった切り口で語られることが多いです。

シニア世代を対象にすると、「慢性疼痛」「高血圧」といった切り口に変わります。シニア世代が悩んでいる症状にアプローチできるレッスンが求められるということです。

もちろん、シニアヨガでは、若い世代向けのヨガ以上に、安全に配慮しなければいけません。そのためには、より深い知識・スキルが必要です。NPO法人日本シニアヨガ協会でも独自のシニアヨガ資格を発行し、シニアヨガのインストラクターを養成しています。

シニアヨガのメリット

慢性的な痛みの緩和

慢性痛の多くが筋肉のこわばりによって引き起こされています。筋肉のこわばりが起こる原因は血行不良です。年齢を重ねるたびに、血行が悪くなっていきます。

シニア世代は、肩こり、腰痛、膝痛など慢性的な痛みに悩む人が少なくありません。ヨガは、無理のない運動で体を伸ばし、血行を促進することができます。筋肉のこわばりによって引き起こされている慢性痛の緩和が期待できる運動です。

痛みが起こりにくい体づくり

定期的にヨガを行うことで、血液循環が良く、筋肉が柔軟な体を維持できます。痛みを改善することも大切ですが、そもそも痛みが起こりにくい体を作ることが何より重要です。

シニアヨガは、痛みが起こりにくい体を作ることができます。シニア世代でも無理のない運動で継続しやすいため、長期的なメリットを得られます。

認知症の予防

シニア世代にとって、大きな不安のひとつが認知症です。要介護状態になる原因の一位が認知症をされています。厚労省の統計では、高齢者の5人に1人が認知症と推計されているほど、現実的な課題です。

運動は、脳へ刺激と酸素を与えることで、認知症予備軍の進行を遅らせるとされています。同じ理由で、うつ症状の改善も期待できます。ヨガは全身に酸素を送り届ける有酸素運動です。認知症予防・うつ改善が期待されています。

運動習慣作り

高齢になるほど、運動をしなくなってしまう人が増えます。しかし、運動は、足腰を鍛え、血行を促進するために大切です。ヨガは椅子に座ってもできる簡単な運動のため、高齢者でも負担なく行えます。

ゆったりと体を伸ばす気持ち良さを味わえると、習慣にしやすいでしょう。短時間でも毎日行うことで、運動習慣を作ることができます。

シニアヨガのインストラクターに向いている人

ヨガインストラクターとしてスキルアップしたい人

ヨガインストラクターとして活動している人が意識するべきことは、これからの人口分布です。シニア世代が多数になるこれからの時代、シニアに対応できないインストラクターは、少数の層を取り合うことになります。

対応できる年齢の幅を広げ、より多くの人にヨガの魅力を伝えたいと考えるヨガインストラクターに、シニアヨガのインストラクター取得はおすすめです。

医療機関にヨガを取り入れたい人

シニアヨガと相性が良いサービスが医療機関です。予防やリハビリの観点から施設にヨガを取り入れたいと考えているなら、負担のないヨガは良い提案になるでしょう。シニアヨガの指導スキルを習得していれば、運動習慣の指導もしやすくなります。

介護福祉士や介護ヘルパーでヨガを学びたい人

介護福祉士や介護ヘルパーの仕事をしている人にも、シニアヨガインストラクターは向いている資格です。現在も介護施設では様々な運動を工夫して取り入れていますが、今後はヨガのニーズが増えると予想できます。

体操と比べて動きに飽きることがありません。身体も気持ちよく伸びるので、ヨガを好むシニアが増えるでしょう。シニアヨガのインストラクター資格を持っていると、仕事の幅が増え、利用者にも喜んでもらえます。

家族のためにヨガを学びたい人

仕事として学びたい人の他に、身近な人の健康のために学びたい人にもおすすめです。

高齢の家族と一緒にヨガを楽しみたい人は、シニアヨガの知識を身につけることで、安全にヨガを楽しめるようになります。大切な人のためだけではなく、自分が年を重ねてもヨガを楽しめるようシニアヨガを学ぶこともおすすめ。ヨガを通して、いつまでも若々しく活動的に過ごせます。

シニア世代へのヨガ指導の注意点

標準ポーズと補助ポーズを学ぶ

一般的に今親しまれているヨガのポーズを標準ポーズとすると、シニア世代がヨガを行うにあたっては、痛みなどの症状によって、標準ポーズ以外のポーズの用意が必要となります。

膝が悪い人、首が悪い人、肩が上がらない人など、シニアには様々な症状を抱えている人がいるため、標準ポーズをスムーズに行えないケースが多いです。その場合、標準ポーズを変化させたポーズやアイテムで補う必要があります。「adapted pose」という考え方です。

たとえば、「膝が悪い方は椅子に座ったポーズにする」「腰の下にボルスターやブランケットを入れて行う」といったことです。

一人ひとりの身体に合わせて、「この筋肉を伸ばしたいとき、ここにこういう症状が生じているならこのような補助が適している」という指導を行うことになります。シニアの身体への深い理解と柔軟なポーズの習得が必要です。

心身の問題に対して安易にアドバイスしない

シニアに限ったことではありませんが、心身の問題に安易なアドバイスをしてはいけません。特にシニア世代は心身に問題を抱えている人が多いです。

複数の既往を抱えて主治医と相談しながらバランスをとっている方も少なくありません。そのような方に、ヨガインストラクターがアドバイスをすることで、治療方針や生活習慣に混乱を生じさせ、心身のバランスを崩壊させてしまう可能性があります。

ヨガは東洋医学がベースにあることから、西洋医学に対して懐疑的な意見をみかけることも少なくありません。しかし、心身の問題は口出しすべきゾーンではないことを肝に銘じましょう。

まとめ

超高齢化社会に入った日本において、シニア層はサービス提供の対象として外せない存在です。特にヨガは、健康に直結するサービスのため、シニアのニーズが高まることが予想されます。指導対象をシニアまで広げたいヨガインストラクターは、「シニアヨガ」の知識が必須です。

シニアは若い世代とは異なり、体に痛みがあったり、どこかを悪くしていたりと、標準ポーズだけでは対応できないケースが少なくありません。安全にヨガを楽しんでもらうためには、補助ポーズをしっかり学べる「シニアヨガ」の資格取得も良い選択です。

シニアヨガインストラクター養成講座を行っている専門のスクールもあります。インストラクターとして活躍するために資格を取得するなら、スクール選びは重要です。このサイトでは、目的に合わせておすすめのヨガスクールを紹介しています。ぜひスクール選びの参考にしてください。

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